『日本人とユダヤ人』の著者。山本七平、ジョセフ・ローラ(アメリカ人)、ミーシャ・ホーレンスキー(ユダヤ人)の三人の合同ペンネームだとされているが、未亡人や子息の証言によると山本単独の著作であると言い、今日では『日本人とユダヤ人』が山本名義(ISBN:404704167X)で刊行されたりもしている。
他の同氏名義の著書に『日本教について』(ISBN:416715501X) 『日本教徒』(ISBN:4043207026)がある。
昨日のブログで、全会一致は無効とする(イザヤ・ベンサダン的?)ユダヤの教えを紹介した。全会一致は無効!? - imakov’s blog この教えは、物理学や数学でいうところのエルゴード仮説に似ていると思いませんか。エルゴード仮説というのは、「時間平均」が「アンサンブル平均」と一致するという仮定です。例えば、電球からの光の強度を測定することを考えます。測定器を1つ用意して、長時間観測してから平均値を算出すれば高精度に光の強度が測定できます。これが「時間平均」です。他には、測定器をたくさん用意して同時に測定してやれば、短時間の観測でも高精度に光の強度を測定できそうです。これが「アンサンブル平均」…
大谷翔平が全会一致でメジャーリーグのMVPに選ばれた。本当にすごいです。 イザヤ・ベンダサンの本に書かれているユダヤ人の考え方からすると、全員一致の審決は無効になるらしい。全員一致は偏見か興奮の結果、または外部からの圧力以外にはありえないから、その決定は無効らしい。旧約聖書の「ミカ書」には、人間は絶対誤りを犯すというようなことが書かれているらしい。全会一致で審決していてそれが正しいとすると、全員が正しい判断をしたということになる。これは、「人間は絶対誤りを犯す」という教えに反していることになるから、あり得ないということになるらしい。つまり、全会一致は「全員が誤っている」時にしか発生しないのだ。…
5歳になる孫の豊洲の幼稚園の秋の運動会に参加した。写真は「後姿探検隊」のショット。 山本由伸先発のドジャーズとダルビッシュ先発のパドレスの息詰まる投手戦を横目に見ながら、3歳から5歳の子どもたちの姿を堪能した。終了後に昼食。 好天の連休初日で混んでいる往復の電車の中で、「アクティブ・シニア革命」に寄せられた原稿の校正。 帰宅後は、延々と寝てしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「名言との対話」10月12日。中根千枝「タテ社会」 中根 千枝(なかね ちえ、1926年(大正15年)11月30日 - 2021年(令和3年)10月12日)は、日本の社会人類学者。享年94。 東京新宿区出身。津…
ひと昔前「空気読めよ」という言葉が流行った。今回取り上げた『「空気」の研究』(1977年、山本七平著)は、まさにこの流行り言葉の先鞭をつけた作品である。本読書会ではおもに、古典の文学や評論、思想を中心に、誰もが読むベストセラーではないが、一定の評価がなされた作品を取り上げる方針で10年以上動いている。しかし本作はそれとは異なる。山本七平(1921~1991年)という名を聞いただけで、『日本人とユダヤ人』を思い出し、少し怪しげな大衆向けベストセラー作家だという認知バイアスが我々にはある。しかしながら山本七平、最近ではNHKの「100分de名著」で取り上げられたりと、名著の作家として名を連ねられる…
togetter.comそこにある、自分のツイートも再録してひとこと。 「根回しを できぬ時点で 非名将」(銀英伝読者 心の俳句)https://t.co/qGeWwj9mIJただ、それゆえに琴線に触れるキャラクターなのは間違いない。自分が思うに「民主主義の”聖者”」なのだと思うのです。聖者であるから、表面的な損得というか成否は別— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) July 13, 2024 織部ゆたか @iiduna_yutaka · 7月13日ようするにヤンって、民主共和制の理念をいつも説くんだけど、その民主制の中でも重要な「…
最近、本ブログの「読書メモ」のカテゴリに属する記事の数が200を超えた。 hiroringo.hatenablog.com 2021年にこのブログに記事を書き始めたとき、このブログのメインを「読書メモ」にしようと考えていた。 hiroringo.hatenablog.com そして、約3年半で次の本の読書メモを作成した(作成中含む)。 なお、読書メモとなった書籍について自分の読んだものの他に最新版がある場合、書籍に対するアマゾンのリンクが最新版へのリンクとなっていることがある。 日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) 作者:山本 七平 KADOKAWA Amazon hi…
掛川の吉岡彌生記念館。 三島から新幹線「こだま」で掛川。駅からタクシーで30分(3500円)。帰りは1時間に一本のバスで駅に戻る。 東京女子医大を創立した吉岡彌生の生誕の地に立つ記念館と実家の医院跡を訪問。生涯を「志」「翔」「愛」にわけて展示されている。 座右の銘は「至誠一貫」。そのとおりの不屈の生涯だった。 「大正評判女番付」が展示されていた。記念館では、文壇の酒豪の番付や文豪の執筆量料の番付などを見たことがある。今度は女の番付だ。 横綱は広岡浅子(銀行家)と峰島きよ(質商)。張出横綱は矢島楫子。吉岡弥生(女医)は安井哲子(教育家)と並んで大関となっている。三浦環(音楽家)と川上貞奴(女優)…
今回は、読書会初の韓国文学への挑戦である。 2016年、イギリスのマン・ブッカー国際賞を受賞した作家、ハン・ガンによる『少年が来る』を取り上げた。 ハン・ガンは1970年生まれ。本作は、彼女の生地、かつての全羅南道道庁所在地の光州で起こった「光州事件」を取材した小説である。 光州事件とは1980年5月18日、240人以上の市民が軍部の犠牲になった世界史的な民主化運動弾圧事件である。事件の発端は1979年12月12日の全斗煥元大統領による(粛軍)クーデターだった。その引き金となったのが同年10月26日の朴正煕大統領暗殺事件だ。この、著者が2歳にも満たず体験した事件を回想した作品が、『少年が来る』…
前から気になっていた本。 岡田斗司夫氏の YouTube で取り上げられていて、強く後押しされたので読みました。 神道はなぜ教えがないのか (ベスト新書 395) 作者:島田 裕巳 ベストセラーズ Amazon これ、おもしろかったですよ。 個人的には、日本の神道とギリシア神話は共通するところが多くあると思ってて、そのあたりも書かれていたのもうれしい。そう考えると、イザヤ・ベンダサンとかは少し的外れなんだよなあ。 そういえば、こういう大きな文化論をするときに、最近感心したのが山田五郎氏のヨーロッパ文化観。 ヨーロッパは、ゴリゴリの禁欲主義のユダヤ=キリスト教(1神教)の世界と、現世の快楽を肯定…
角川文庫の夏の文庫フェアの小冊子「カドフェス2014」で紹介されていた本の一覧。 冊子自体はすでに処分してしまっていて、自分の覚書メモの写しなので抜けなどのミスがあるかもしれません。
イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』(角川ソフィア文庫)を読む。50年以上前に出版されて当時大きな話題になった書。その後イザヤ・ベンダサンを名乗る著者がユダヤ人などではなくて山本七平だということがばれてこれまた話題になった。しかし人気は衰えず私の購入した文庫は昭和46年初版で、令和5年119版となっている。 ベンダサン実は山本七平と分かってみれば、内容は保守の評論家の日本批判としてさほど目新しくもない。だが、ユダヤ教からみたキリスト教批判としては知らないことが多く、教えられることが多かった。 日本と比べて、パレスチナは一体どうだったか。昔から「陸橋」といわれたこの地は、常に戦場であった。チグ…
「空気」の研究 (文春文庫) 作者:山本 七平 文藝春秋 Amazon 名前は知っていたけど、実際に読んだのははじめて。いや〜!これはすごいわ!確かに日本人の真髄を掘り下げている名著だ!(・∀・)♪ 「昭和52年の発表以来、40年を経ていまだに多くの論者に引用、紹介される名著。日本には、誰でもないのに誰よりも強い「空気」というものが存在し、人々も行動を規定している・・・。これは、昨今の政治スキャンダルのなかで流行語となった「忖度」そのものではないか!「空気」とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である。一種の『超能力』かも知れない。」「空気を読め」「アイツは空気が読めない」という言葉が当たり前に…
評論家・山本七平が,ユダヤ人イザヤ・ベンダサンとして1970年に発表し,300万部を超えるベストセラーとなった記念碑的名著.砂漠対モンスーン,遊牧対農耕,放浪対定住,一神教対多神教など,ユダヤ人との対比という独自の視点から展開される卓抜な日本人論.豊かな学識と深い洞察によって,日本の歴史と現代の世相に新鮮で鋭い問題を提示した本書は,山本学の原点となった――. いざや,便出さん.本書は評論家である山本七平が戯れたペンネームを用いて発表したものであり,その中で彼は古きユダヤの賢者の言葉を信奉するかのように自己を位置づけ,同時に歴史ある日本人であることを強調している.日本において西洋文化が根付き,外…
2024/01/09 沼正三「家畜人ヤプー」(角川文庫)-1 白人と女性優位は日本男子のディストピア 1972年のつづき 遍歴にしろ教育にしろ無垢な主人公が体験を積み知識を吸収するには、優れたメンターが必要になる。「肉体の扉」の父親や「O嬢の物語」の館主のように。生徒はいまだ見ぬ社会を知らなければならないので、メンターはなにもかも啓蒙しなければならない。ここではポーリーンがその役を一手に担う。ポーリーンは性愛技術や用具だけを教えるのではなく、宇宙帝国「イース」のすべてを教えなけらばならない。白人権力と家畜人ヤプーの歴史から女権制の社会構造、黒人奴隷から家畜や人体家具、食事から排泄まで、娯楽から…
歴史のことば劇場70 “日本人は水と安全はタダだと思っている” とは、イザヤ・ベンダサン(山本七平)『日本人とユダヤ人』(1970)の有名な文句ですが、 同書は「日本人は常に自由であった」から「水と安全は無料と思っている」と述べています。 いわく、ユダヤ人が安全に高いコストをかけるのは、宗教的迫害を長く受けてきたからである。 彼らは江戸期の隠れ切支丹みたいなもので、常に迫害される危険があったが、 切支丹以外の日本人にそんな経験はない。 ユダヤ人にとって「城壁のない都市は、殻のないカキのようなもの」だが、 「個人の安全も一国一民族の安全保障も、原則は同じであろう。 しかし日本では、カキに果たして…
2023年は、私のテーマとして「日本教」について考えてきました。 改めてお聞きします。皆さまは、この「日本教」というものをご存じですか? 「日本教」とは、イザヤ・ベンダサンこと山本七平氏がその著書の中で提唱してきたもので、私達クリスチャンが、宣教において、ずっと苦労してきた原因をその著書で、初めて言葉にして表現してくれたものです。日本教 - Wikipedia その山本氏の研究を踏まえ、「日本教」について聖霊によって教えられたことをお分かちし、日本宣教を一歩進めるために、どうすればいいか考えたいと思います。 1.はじめに 初めに以下4つのQ&Aがざっくりとした結論です。まず考えてみてください。…