夢の中では往々にして感覚器官が鈍磨する。 特に舌はその影響が顕著であろう。 今朝方とても、酒瓶ほどの太さを有するソーセージに齧りついていたのだが、何の味もしなかった。 そこはインドの料理屋で、いや日本にあるインド人が経営する店でなく、本当にあの逆三角の亜大陸の上に立つ、どのチェーンにも属さない、個人経営のこじんまりしためし屋であった。 古い馴染みの友人二人と観光旅行の道すがら、たまたまこれを発見し、そろそろめし時、小腹も空いた、おあつらえ向きではないかねと、暖簾をくぐることにしたのだ。 その結果、私は濡れた厚紙を延々咀嚼するかの如き拷問を味わわされている。 そう、 されて(・・・)いる(・・)…