英:A Major 独:A dur A音(ラ,イ)から始まる長音階.嬰ヘ短調の平行調. A,H,Cis,D,E,Fis,Gis(A,B,C♯,D,E,F♯,G♯) 音から構成される. 調号は♯が3つ。
「ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K.482」の完成から三ヵ月半後、オペラ「フィガロの結婚」の制作も佳境に入った1986年3月に、モーツァルトは新たに二つのピアノ協奏曲を書き上げました。 mozart-cafe.hatenablog.com その内の一つが、今回ご紹介する「ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488」です。 自作品目録には3月2日という完成日付が書き込まれており、「第24番 ハ短調 K.491」とともに3月から4月にかけて予定されている3回の予約演奏会において披露することが作曲の動機と考えられていますが、実際の初演がいつ行われたかはわかっていません。 また、完成日付は作曲者自…
(これらの間には)対照性と類似性の関係構造を認めることができるのではないか――と先にご紹介した四つのピアノ協奏曲、「ハ長調 K.467」「ニ短調 K.466」「ハ短調 K.491」および「ハ長調 K.503」に時期的に含まれる形で、モーツァルトはさらに二つのピアノ協奏曲を書いています。 1785年12月16日と翌年の3月2日にそれぞれ完成された「変ホ長調 K.482」および「イ長調 K.488」がその作品で、作曲時期の点で上のハ短調と近接していることに加え、これら三曲には、オーボエの代わりにクラリネットが採用されているというモーツァルトのピアノ協奏曲では異例と言える共通した特質も備わっています…
「弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K.458 "狩"」により、謂わばこのジャンルの新たな可能性と自らのアイデンティティとの両立を成し遂げ、明るい陽光の下、色彩に満ちた世界を提示したモーツァルトですが、その二ヶ月後の1785年1月10日の日付とともに自作品目録に完成を記された「同 第18番 イ長調 K.464 (ハイドン・セット第5番)」で、再び淡然たる色調へと回帰します。 mozart-cafe.hatenablog.com ただ、同セットの前半三曲に感じられる冷厳さは影を潜め、代わりにあたかも俗世の柵を超脱したかの如き静謐さに満ちています。 このイ長調四重奏曲を聴いて先ず気付くのは、厳密に…
前記事でご紹介した「交響曲 第25番 ト短調 K.183(173dB) "小ト短調"」が書かれてからほぼ半年後の1774年4月6日、音楽のもう一つの至宝が新たに顕現しました。 同じ交響曲ジャンルにおける「第29番 イ長調 K.201(186a)」がそれです。 前記事でも述べたように、上の小ト短調交響曲が成ったのは、モーツァルトがウィーンから帰郷した直後のことで、それに先立つイタリア旅行後の4つの交響曲とは大きく趣きを異にしていますが、これはイ長調交響曲にもそのまま当てはまります。 その変化を標語的に言えば、「世俗的・表面的な華やかさから高踏的・内面的な細やかさへの希求の移行」とでも表現できるよ…