『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』が刊行されてから2年後、1910年にウィリアム=ホープ=ホジスンが幽霊狩人カーナッキの物語を発表した。ラヴクラフトがジョン=サイレンスを愛読していたことは有名だが、カーナッキに対する評価はどうだったのか。1934年11月6日付のダーレス宛書簡を見てみる。 人によって嗜好が違うというのは興味深いものですね――『ナイトランド』はカーナッキよりも遙かに優れた作品だとクラーカシュ=トンは考えているのですよ……もちろんカーナッキがジョン=サイレンスのごく凡庸な模倣に過ぎないことは火を見るより明らかです。でも『異次元を覗く家』と『のボート』を読まずにホジスンを判定して…