ジャーナリストでもある岸恵子さん。 あと少し、紹介したい箇所がありました。 ポーランドの子供とユダヤの子供の話です。 「孤独という道づれ」(幻冬舎文庫) ★ ★ ★ ★ ★ ★ パリでの親友の一人娘 その子は美しい子だったのに、引きこもりで、勉強も出来ず、友達もいなかった。 彼女一家は、財産も地位もある純粋なユダヤ人だった。 親友の両親もその夫の両親も、ナチス・ドイツの毒牙に掛かって、アウシュビッツのガス室で虐殺されている。 それらの理不尽な歴史が、少女の心の中に癒しえぬ暗い翳りを落としているのだろうか、いつ会ってもひっそりとさびしそうな様子に胸が痛んだ。 その子が18歳になったとき、両親が、…