リスト::美術館 Galleria Degli Uffizi フィレンツェ(イタリア)にある美術館。 Uffizi は英語の Office に相当し、メディチ家の事務所があった建物であることからこの名がついた。日本語での表記は「ウフィッツィ美術館」「ウッフィツィ美術館」「ウフィーツィ美術館」「ウッフィツィ美術館」「ウッフィツゥイ美術館」「ウッフィッツゥイ美術館」と様々。 ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、ティツィアーノらの作品を収蔵している。
今回と次回、2度に亘ってエロス(キューピッド)の分析をします。前回書きましたが、この部分が分析編の肝すなわちハイライトです。この話を信じることが出来れば〈春〉の解明に辿り着けますし、そうでなければ謎は謎のままです。ボッティチェリは9人の登場人物中、なぜ1人だけ幼児の姿で描いたのでしょうか? 春と誕生_エロスの目隠し 〈春〉のエロスはなぜ目隠しをされているのだろう。この表現は他の画家の事例もあるようだが、美術書等では「愛の矢を射かけて神々を恋の虜にする悪戯のために、母のヴィーナスによって懲らしめとして目隠しをされた」などと説明されている。「恋は盲目」といった抽象的な言葉で読者を煙に巻く解説もある…
今日から4月です。学生時代の友人はSNSで「私はドジャーズと契約し、大谷翔平選手の専属通訳になることが決定いたしました」なんてホラ吹いてました⁉先月末、京都にもようやくサクラの開花宣言が出ましたが、昨年が早かったせいか、今年ほどサクラの花を待ちわびる年も珍しいですね。 さて本題です。〈春と誕生〉の分析編では、1つの言葉(タイトル)と4人のキャストを掘り下げていくのですが、残すところ、エロス(キューピッド)とヘルメス(マーキュリー)の2人の男神だけとなりました。エロスの解説部分は、分析編のハイライトとでも言うべき箇所ですので、前後2回に分割しようと考えています。その前に、これまでわざとすっ飛ばし…
アブストラクトで指摘しましたが、〈春〉という絵が解読できない最大の理由は、右から2人目の女性を取り違えたことにあります。いったい彼女は誰なのでしょうか? 絵から分かることは、西風にさらわれた(運ばれた)ことのある人物ということでしょう。その回答として、これまで彼女はクロリスと考えられてきました。しかし、ギリシア神話の中で、ゼピュロスに運ばれたことのある女性は他にもいます。 彼女がクロリスなら、(西風以外に)絵の中で関係がある神はフロラだけです。なぜなら、ギリシア神話の大地の精クロリスは、ローマ神話の花の女神フロラと同一人物と考えられているからです(「春のキャスト」で指摘)。 しかし、ギリシア神…
昨秋、「拝啓 万城目学 殿」と題した記事をアップしたのですが、ちょっと女々しい感じがして、取り下げてしまいました。 最新作「八月の御所グラウンド」を、今まさに読んでいる最中なのですが、そこに思いもよらぬニュースが飛び込んできました。 という訳で、先の記事を復活させることにしました。 鴨川ホルモー以来、長きにわたってお世話になっております(私も京都の人です)。 現在は、エッセイ集「万感のおもい(夏葉社)」を拝読中。 その中にとても引っかかる言葉が… 『料理に限らず、小説でも、映画でも、音楽でも、人の心がいちばんよろこぶのは、それまで経験したことのない、質の高い、新たなたのしみに触れたときだと思う…
〈春〉が描かれてから540年余り。現在は「結婚を祝う絵」と考えている人が多いようです。 でも、それって間違いです。私の考えがオカシイと思う方は、どうぞ反論なさってください。 〈春〉の画面右端にはゼピュロス(西風)が描かれています。最近の解説で、彼の色(蒼白)を説明しているものにお目にかかる事はまずありませんが、私はいつもこんな風に言っています。『結婚式に黒いネクタイを締めて行くようなものだ』 絵を見るだけの人にとっては、さほど気にならないのかもしれませんが、注文主にとっては由々しき問題です。 ボッティチェリに「結婚を祝う絵」を依頼して(ルネサンス当時、注文を受けずに絵を描くことなどありません)…
皆さん、こんにちは。 先日からやるやる言っていた今年の振り返りですが、お見せできそうにありません。このままいきますと、有限不実行という最もだらしのない結末に。我ながら忸怩たる思いであります。 振り返るには振り返りました。ただ、もう量が膨大になり、見直しと編集が必要。これをヨソサマにお見せするには更に相当の時間がかかる、新年まで間に合わないと判断しました(新年までに自分の振り返りを終わらせ、来年の課題を設定したいので)。 時間があるとか言ってなぜ出来なかったかというと、先日読み終わった「メモの魔力」で自己分析を進めていたからです。いやあねぇ、これがまた1日3、4時間かけても全然進まないのです。そ…
〈春〉に描かれた神々の名(右から順に) ギリシア神話名 ローマ神話名 他の一般的な呼称 ゼピュロス 西風 ??? フロラ 花の女神 アプロディテ ウェヌス ヴィーナス エロス クピドまたはアモル キューピッド カリテス (アグライア、エウプロシュネ、タレイア) グラティア 三美神/グレイス (輝き、喜び、花盛り) ヘルメス メルクリウス マーキュリー 前回の記事にこう書きました。ボッティチェリは〈春〉を読み解くために、この絵に5つの手がかりを残している。そのうちの1つは言葉で、残りの4つは、9人の登場人物中4人を特徴づけることで表現されている。[分析編より]前回は言葉(タイトル)について分析し…
〈春と誕生〉の中身を小出しすることにします。原稿は完成しているので、本来なら出版が叶えば良いのですが、今のところ、どの版元も首を縦に振りません。そうなると、私にできる発信手段は、今のところこのブログ位しかありません。ボッティチェリは〈春〉を読み解くために、この絵に5つの手がかりを残している。そのうちの1つは言葉で、残りの4つは、9人の登場人物中4人を特徴づけることで表現されている。[分析編より]〈春〉という絵の最もミステリアスな点はその画題にある。この意味深長なタイトルこそが、画家の意図とは裏腹に解説者たちを別の方向へと導き、制作後540年を経た今日まで私たちの目を真実から遠ざけてきた原因に他…
今年2月に〈春と誕生〉のアブストラクトをアップしましたが、今回は序文です。春は謎に満ち満ちた作品ですが、ヴィーナスの誕生(この誰もが知る名画)も、現在まで制作動機は不明です。〈春と誕生〉は序文の後、分析編・総合編・展開編・完結編の4章で構成されていますが、ヴィーナスの誕生の制作動機は、展開編で明らかになります。 春と誕生_序 イタリア・ルネサンスの至宝が集まるフィレンツェのウフィツィ美術館。なかでもボッティチェリの部屋(第10~14室)の人気は高く、絵の前から人影が絶えることがない。その比較的大きな部屋にあって、一際目を引くのが彼の代表作〈春〉と〈ヴィーナスの誕生〉である。 大きさの類似、いず…
私たちはローマに3泊するプランだったのですが、旅程を立て始めると「案外2日間くらいに収まるかも」という話に。そこで高速列車のイタロ(Italo)に乗ってフィレンツェまで足を延ばしてみることになりました。 ローマ・テルミニ駅からフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅までは約1時間半。東京から名古屋に日帰り旅行に出かけたような感覚です。 🚃 フィレンツェ着 📍サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 🍽️ 別行動前に軽食を 🎨 ウフィツィ美術館でヴィーナスに会う 🍨 合流してジェラートを食べる 📍ヴェッキオ橋 🍨 変わり種ジェラート 📍ミケランジェロ広場 🍽️ 広場で早めの夜ご飯 🚃 ローマに帰る 🌟フ…
こんにちは!koemo(くぅも)です。 ドゥオモのクーポラや鐘楼の展望台の他に、フィレンツェの街を眺められるもう1つの絶景ポイントがミケランジェロ広場です。無料なのでどんなに混雑していても楽しむことができ、時間指定もいらない最もお手軽な展望エリアです。
こんにちは、りんです🍎🍯 今回は、海外旅行振り返りPart3! 過去の記事 2023年3月(7か月目):2か国、計12か国 ①訪問国:イタリア ②訪問国:バチカン市国 📍ローマ 📍フィレンツェ 📍ピサ 📍チンクエテッレ 📍ヴェネツィア 📍ローマ 過去の記事 applebee.hatenablog.com applebee.hatenablog.com 2023年3月(7か月目):2か国、計12か国 ①訪問国:イタリア ②訪問国:バチカン市国 滞在日数:11日間(3/17~3/27) 訪問都市:ローマ、フィレンツェ、ピサ、チンクエテッレ、ヴェネツィア 弟たちが、春休みにはるばる日本から来てくれた…
こんにちは!koemo(くぅも)です。 ドゥオモ(大聖堂)と合わせてサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を構成するのが、サン・ジョヴァンニ洗礼堂とジョットの鐘楼です。
前回の記事ではベネツィア観光について紹介しました。 yu-k615.hatenablog.com 今回の記事ではイタリア旅行フィレンツェ編をお届けします! ベネツィアからフィレンツェへの移動 フィレンツェでの宿と食事 観光 最後に ベネツィアからフィレンツェへの移動 ベネツィアからフィレンツェまでは事前に予約していた電車で移動します。 サンタルチア駅から約2時間、飲み物とスナックのサービスがありました。座席にはテーブルやゴミ箱、コンセントもあります。意外と快適で2時間があっという間でした。 車内の様子 フィレンツェでの宿と食事 ここではI tulipaniという所に泊まりました。部屋は写真のよ…
個人的に最後の現代の万年筆となりさうな「Novelli Augusta」ー伊太利亜製の万年筆の尽きせぬ魅力と其の危うさと 1ー さて長期休暇に入る前に🖋のことを壱本だけ是非述べて置かう。 特に最近は「文明嫌い」なのがより酷くなり自分の中での所謂「加工品」に對する評価がまた壱段階位下がったので其の分石の話が多くもなって居る。 「Sirius氏に取っての最後の現代の万年筆」 其れはさう述べても良いことだらう御品となる。 彼Sirius氏はそんな「現代の万年筆」に於いてもありとあらゆることをすでにし尽くして來た。 彼はあらゆる限定🖋を此れ迄に手にしさうして使い込んでもまた來た。 特に九拾年代の限定万…
こんにちは!koemo(くぅも)です。 「屋根のない美術館」とも称されるイタリア・フィレンツェの旧市街は小さいながら、見どころがぎゅっと詰まっていて、歴史と芸術をこれでもかと言うほど味わえる街です。
はじめに 塩野氏による歴史絵巻三部作の最終作。 緋色のヴェネツィア、銀色のフィレンツェ、に続き、黄金のローマ、であります。 もし本作を初めて手に取った場合は、悪いことは申しませんので、是非いちから(ヴェネツィア)から読むことをお勧めします。 歴史的深みにやや欠けたか 主人公はヴェネツィアの貴族マルコ・ダンドロ。今回もまた高級遊女である彼女のオリンピアと一緒です。 ただ、何というかマンネリ感は否めません。 これまでの塩野氏のあとがきによると、架空の人物であるマルコとオリンピアを使い、むしろ「都市を描く」ということでありました。これにはなるほどと感じました。 ヴェネツィアでは、トルコを相手にした諜…
塩野七生氏の歴史絵巻三部作のうち、これが二作目。 こんな話 前作同様、ヴェネツィアの貴族マルコが主人公。 前作末、政治勢力図の変更もありヴェネツィアでの殺人事件のごたごたの責任を取らされ、一時的な追放を余儀なくされたマルコ。外遊ということでフィレンツェへ。 これまたフィレンツェで政治騒動に巻き込まれますが、フィクションですのでそんな偶然もご愛敬。 今回の舞台はルネサンス期後半のフィレンツェです。隆盛を極めたメディチ家、ではなく、むしろ経済的には落ち目にあり、軍事や政治へシフトしつつあるメディチ家を描きます。 政体論からの、現代政治 塩野氏というと、歴史と共に、イタリア政治を語るイメージがありま…
出張でイタリア・フィレンツェ滞在中。仕事前の早朝のすきま時間に古い町並みを散歩する。 5:00に起床してシャワーを浴びる。ジョギングの格好を整えて6:32からフィレンツェの中央駅になるフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からスタート。気温は7℃。風はなく、半袖のTシャツでも寒くない。駅の正面の立派な尖塔を持つ教会がサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。 サンタ・マリア・ノヴェッラ駅 駅前には超低床型の市電が行き交う。奥に見えるのがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会 古い町並みを東に向かって古い町並みを進む。電柱が立っていないためか、景観がスッキリしている。 町には電柱がない。ぶら下がった電線は街灯…
もうすぐ1年が経とうとしていますが、実は去年の4月にイタリアのベネツィア、フィレンツェ、ローマを旅行していました!! 細かい部分は忘れてしまっていますが、旅行前に作成していた計画表や写真、メモを参考にイタリア旅行を振り返ってみようと思います。 旅行概要 事前予約したもの 旅行行程 最後に 旅行概要 イタリアでは1週間かけてベネツィア、フィレンツェ、ローマの3都市を巡りました! 各都市とも、移動+中日(1日観光)+移動と2泊ずつして次の都市へ向かいました。見所が多過ぎて時間はいくらあっても足りないですが、どの都市でも「ザ・定番」な観光をしてきました。 イタリアへの入国・出国は、ヨーロッパのLCC…
おはようございます。 3月12日(火)、イタリア旅8日目、ヴェネツィア3日目となります。 8時15分頃にゆっくり起きた後、ホテルの朝食をいただいてから、ヴェネツィア3日目の観光に出発です。 取り敢えず、徒歩でサンマルコ広場を目指すことに。肌寒くて風も吹いていました。 途中にあった工芸品店。カッコいいものばかりで欲しい気分になりましたが、最安値で145ユーロ(約23,200円)もしたのでゲンナリしました。 リアルト橋を渡って先に進みます。途中、道を間違えて4回ほど引き返しました。 運河に浮かべたボートの上で八百屋さんが絶賛営業中でした。 一昨日ヴェネツィアに到着した時は、運河にヴァポレットにゴン…
おはようございます。 イタリア旅3日目です。昨晩よく食べ、よく寝たと思ったら、目覚めたら11時になっていました。日本時間だと19時。よく考えたら、夜勤のある日の起床時刻です。疲労というより、むしろ体内時計がそのように固定されていたのでしょう。まだ旅も序盤なので、頑張って調整しないといけません。 ただ、ホテルの朝食は2日連続で食べられませんでした🥲 駅地下 昨日まで気づかなかったのですが、サンタマリアノヴェッラ駅の下に地下街が広がっていました。観光客は少なめですが、意外と色々な店舗があります。 中央市場 取り敢えずブランチを食べに昨日も行った中央市場を目指します。昨日より肌寒く感じました。相変わ…
おはようございます。 3月6日(水)、イタリア旅2日目のフィレンツェでの様子です。 やはり疲労が溜まっていたのか、普通に寝て普通に目覚めたら午前11時過ぎでした。ただ、時差ボケはほぼ解消し、イタリア時間(というか中部ヨーロッパ時間)に適応できている感はあります。ただ、悲しいことに、起きるのが遅すぎてホテルの朝食はいただけませんでした🥲 取り敢えず気を取り直して、フィレンツェ散策に出かけることにします。一番行きたいのは、何と言ってもウフィツィ美術館。あとはドゥオーモにも行きたいです。本場のパスタ料理も食べたい。とにかくやりたいことが多すぎて贅沢に悩みました。 フィレンツェ中央市場 サンタマリアノ…
ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」 大塚国際美術館の所蔵作品数は1000余点、古代、中世の作品だけでも200点を超えるので多少省略せざるを得ず、ルネッサンスのコーナーに向かう。最初はダ・ヴィンチなどの受胎告知の作品がずらりと並ぶ。その次にボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」が現れる。フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵の有名な作品で、1480年代中頃のカンヴァスに描かれた絵画である。以前、現地で現物を見たことがある。陶板の継ぎ目の線を除けば見分けがつかないほどそっくりにできていて美しい。 ボッティチェッリの「春(ラ・プリマヴェーラ)」 こちらの作品も同じくフィレンツェのウフィツィ美術館所蔵…