スコセッシの作品はいままで、何本か観たことがあったが、自分自身が求めるストーリーテリングと合わなかったし、この作品も3時間とかなり長丁場な作品だったので、深層心理的にいままで避けてきてしまったが、やはり食わず嫌いは良くない。正直、めちゃくちゃ面白かったし、いままで観た3時間の映画のなかで、体感時間が1番短かった。 メタフィクションで軽妙な語り口がオープニングにはちょうどいい、なぜならフィクションだと感じないとあまりにも薄汚い醜悪なリアリティにまみれでしまっているから。語り口が終わり、いつのまにか、フィクションから作品を構成するリアルな世界に引き込まれてしまっていた。 とにかく、暴力的なほどの情…