『当事者は嘘をつく』小松原織香/著を読んだ記録。 タイトルでギョッとなる。が、もちろん「当事者」に対して喧嘩を売っているわけではない。 カバーを見ればすぐわかる。 これこそ私が待っていた一冊である──信田さよ子 『私の話を信じてほしい』 哲学研究者が自身の被害体験をまるごと描く 2022年1月に刊行され、話題になった本。 性暴力の経験を綴った本なら、私はちょっと辛くて読めないのではないかと思い、スルーしていた。手に取るきっかけになったのは、ライターの太田明日香さんによる書評(『週刊金曜日』2022.3.25 1370号掲載)を読んだこと。いろいろな期待が持てるような文章だった。 現在販売中の『…