先日「黒砲事件」という85年の中国映画をふや町映画タウンから借りてきた。80年代、90年代、日本でもビデオリリースされた中国映画の良作が多く、その後DVDになっていないものも結構あり、せっかくだから観て記録を書いていこうかなと思っている。 重苦しいジャケットだけど、ストーリーは観やすい。「黒砲」とは中国将棋の駒の一つで、将棋好きの技術者が誤解を受けたことにより、党の意見で人を支配するがちがちの中国管理社会で国益まで損なってしまうことになるというペーソス味にあふれた作品。技術者のキャラクターもとても親しみやすく描かれ、最終的には救いも用意してあって後味も悪くない。組織に生きるやるせなさが端々に描…