「最後尾はあの山の上です」何のことを言っているのかわからなかった。もういちど係りのお兄さんに聞いてみる。「バック指定席のチケットを持っているのですが、どこに並べばいいのですか」何度も同じ質問をされ、何度も同じように返答しているであろうお兄さんは、同じように慣れた言い回しで説明してくれる。「ちょっと今どれくらい列が伸びているのかわからないですけど、最後尾はこの広場を越えて、あの階段をのぼった山の上です」お兄さんの説明に沿うように視線をやった山の上には、確かに長い行列ができている。人々はその行列の最後尾を目指して、ぞろぞろぞろぞろ歩いている。山の上の列がどこからどう伸びているのかわからないが、目の…