エマルジョン燃料

エマルジョン燃料

(サイエンス)
えまるじょんねんりょう

[英] Emulsion Fuel
エマルジョン燃料とは、軽油、重油などと水を乳化剤の役割を果たす界面活性剤の力で混合した燃料。
通常の流体燃料は、燃料中の不純物や、空気中の酸素分子に取り付く様々な分子構造によって、完全な燃焼が阻害され、不完全燃焼をおこす。通常燃料と酸素の燃焼率は70%で、残り30%は不完全燃焼を起こしているとされる。
しかし、エマルジョン燃料に加工すると、水分子の周囲に界面活性剤を介して油分子がまとわりつくようになり、内燃機関内で、温度が上昇すると、沸点の低い水分子が爆発的に蒸発して油分子が飛び散って分子の大きさが小さくなるため、燃焼効率が上昇する。
この結果、同じエネルギーを得るために必要な燃料を減らせるほか、使用する空気の量も減らせるので、排気ガスに窒素酸化物やPMなどの汚染物質が少なくなるほか、内燃機関自体は従来と同じものが利用できる、というメリットもある。
近年実用化のための研究が始まったばかりであるが、汚染物質の減少のみならず燃費の向上という効果もあるため、実用化が期待されており、石油資源の乏しい国からの注目も集まっている。

課題

たとえば、Eneco Holdingsが開発している軽油のエマルジョン燃料は、軽油と水を50%ずつの配分で混合しているにもかかわらず、軽油100%とほぼ変わらない性能が得られていることが確かめられているが、そのままディーゼル車用燃料として利用しようとすると地方税である軽油引取税も50%分しか課税されず、不正軽油とみなされていまう。そのため、Eneco Holdingsでは水の分についても、同額の軽油引取税を支払うことで山梨県と合意し、エマルジョン燃料をディーゼル車に利用することが認められた。したがって、Eneco Holdingsが開発したエマルジョン燃料を利用したディーゼル車が公道を走ることができるのは、山梨県内に限られている。

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