三つの庵 ソロー、パティニール、芭蕉 クリスチャン・ドゥメ著『三つの庵 ソロー、パティニール、芭蕉』(幻戯書房,2020)は、隠遁生活を求めていたものにとって、きわめて刺激が強いタイトルだ。タイトルと出版社をみて購入することはあまりないことだが、今回は衝動買いだった。 序文から著者の意図を引用する。 あらゆる庵/小屋は、現実のものであれ夢見られたものであれ、作家や画家といった世界の作り手たちが自分たちの必要とするささやかなものを彼ら自身の生き方として表現したものである。世の中から離れ、孤立し、身をひそめること。孤独な苦行を伴うそうした身ぶりはすべて、最終的にはこの世の生をいっそう深く味わうため…