木村幸治『馬は知っていたか スペシャルウィーク・エルコンドル…手綱に込められた「奇跡」の秘密』を読み終えた。 掉尾を飾る大川慶次郎の章、締めくくりの、 生前に1999年 有馬記念の勝ち馬をグラスワンダーと予想していて、 没後、夫人が骨箱のそばに座ってテレビ観戦した時の情景が鮮やかに残る。最後の一文、玄関先に届いたという花束の差出人が―。 「予想屋というのはねえ、訊かれる前から予想してみせる連中のことです。評論家は、訊かれてから初めて唇を開くのです」 …俺も予想屋でなく、競馬評論家でいたいと思える、 訊かれてから初めて唇を開く人でありたいと思う。 * 書籍としては、裏表紙の紹介にある「レースだけ…