記憶痕跡とは、エングラムとも呼び、記憶に対して脳の中で形成される生物学的な構造をさす。記憶は、特定の神経細胞群の活動パターンやそれらのつながりによって蓄積されていると考えられている。 具体的には、ある出来事を経験すると、その出来事に応じて脳の特定の神経細胞が活動する。そして、その神経細胞同士の結合が強化される(シナプス可塑性)ことで、記憶が形成されると考えられている。 記憶痕跡は、脳のさまざまな部位に存在すると考えられている。短期記憶は海馬で形成され、長期記憶は海馬と大脳皮質で形成されると考えられている。 記憶痕跡は、何度も思い出すことによって、より強固なものになる。また、思い出さないまま放置…