イタリアの歴史家マリア・ベロンチの『ミラノ ヴィスコンティ家の物語』(1956年、大條成昭訳、新書館、1998年)を読んだ。1261年~1447年の約200年間に、12代にわたってミラノを支配したヴィスコンティ家の人々の生い立ち、性格や権力争いを紹介した年代記だ。<ヴィスコンティ>ときいてまっさきに思い浮かぶ人物は映画監督ルキノ・ヴィスコンティで、彼はミラノ古い貴族の家柄ということは知っていたのだが(彼はヴィスコンティ家の傍流の末裔)、ではその先祖がどのようにしてミラノの支配者になり、また支配権を失ったかという経緯はまったく知らなかったので、その意味ではおもしろかった。ちなみに、ヴィスコンティ…