大正期に中島孤島が関わった児童雑誌のなかで、一つとても気になる雑誌がある。 化粧品会社のあの資生堂から創刊された『オヒサマ』である。この雑誌は、国会図書館にもデータがほとんど載っていないし、辛うじて蔵書を一冊有しているのは東京では日本近代文学館のみのようである。 そんなわけで、まだ現物どころか目次データさえ見たことがない雑誌である。唯一、表紙の写真は資生堂子ども財団のホームページで見ることができた。 資生堂子ども財団の歴史|公益財団法人資生堂子ども財団 資生堂企業編集部/編「資生堂ギャラリー七十五年史・一九一九~一九九四」資生堂1995年3月 によれば、 ゛『オヒサマ』は「子と母の雑誌」を副題…