感覚の数値化というものは、あまり信じすぎないほうがいい気がする。水深6メートルだ7メートルだといったって、測ったわけでなし、だいたいでしゃべっていることもおおいとおもう。 カウントダウンも同様である。ひとによって数えるスピードはかなりちがうし、おなじひとでも、かぞえるたびにゆれるはずである。ミュージシャン級のタイム感をもったキャスティングのうまい釣りびとがいて、寸分たがわぬポイントにキャストできたとしても、一投ごとに風と潮はちがってくる。 さきにオモリを投げて水深を把握するというのは、いい方法だとおもうけれど、釣り場でそうしているひとに出会ったことがないし、自分でもしたことがない。釣りびと、と…