私の大学時代の友人に特殊な尾行能力を持った男がいた。大学は神戸にあり、大阪から通ってくる人たちも多かった。その変わった友人(以降K君とする)も大阪から通っていた。以下、別の友人A君に聞いた話だ。 匂いをたどる。 学校からの帰り道。前をK君が歩いていたそうだ。途中寄り道もしたいので、話しかけずにいたそうだ。その後A君は三ノ宮駅に着き、本屋さんに立ち寄った。本棚の向こう側にK君が見える。そこでもやはり話しかけることはせず、自分の見たい本を読むだけにしていた。本屋を後にし、大阪の地下街を歩く。前にK君が歩いている。A君は思ったそうだ。「尾行されている!」しかしそれはかなり高度な尾行である。前に現れる…