一日の中では夕暮れ時に紅茶を飲むことが多い。朝はたいていコーヒーだが、午後はどういうわけか紅茶だ。夕方の、ちょっと気持ちが沈みそうな時間に紅茶のティーバッグをカップに入れて、熱いお湯を注ぐ。するとたちまちいい香りが立ち込め、ひと口飲むとなんだかほっとした気持ちになるのだ。この気持ちの正体はなんだろう。 イギリスで紅茶の販売が始まった当時、紅茶は薬用として扱われていたそうだ。その効能たるや、食中毒の防止、虫歯の予防、血圧を下げ、胃腸を整え、さらには肥満の予防や老化防止まてあるらしく、なんとも恐れ入る。 この話を聞いているうちに、中国の「医食同源」という言葉が頭に浮かんだ。飲むことが薬になる。体の…