3.8 1950年代のフランス。妊娠した女学生が堕胎のために奔走する様子がたんたんと描かれる。 当時中絶が重罪だったことで医者から見放され、アンヌ(Anamaria Vartolomei)は誰にも打ち明けず、ひとりで向き合って苦しみぬく。その意味で、17歳の瞳に映る世界(2020)やムンジウの4ヶ月、3週と2日(2007)よりも見ていてつらかった。ほとんど恐怖映画。 2022年にノーベル文学賞を受賞した仏作家アニーエルノーの自伝小説L'Événementの映画化──とのこと。ウィキによればアニーエルノーは著作のほとんどが自伝だそうだ。 妊娠を誰にも言わないところに特有の気質を感じた。個人差もあ…