はじめに世間では、カサノヴァはペテン師で女狂いと見られているようだ。確かにそうに違いないけれど、ただそれだけに終わってはいないところが、カサノヴァの面白いところなのだ。十八世紀ヨーロッパの一時期を席巻した「ロココ時代」に、ヴェネチア的享楽と自由を追求し、「官能の犠牲者」となることを喜んだのがカサノヴァの人生である。これから追々その端々を展開していくことになるだろう。まずは少年期のカサノヴァはどう創られたか…ですね。 sasurai1.hatenablog.com sasurai1.hatenablog.com 説教家になりそこねたカサノヴァある日のこと、マリピエロ氏はカサノヴァに向ってこう言っ…