兜 蝦 Triops
甲殻網背甲目カブトエビ科に属する。長さ20mmほどの楕円形の背甲を持ち、腹部には40対以上の脚、そして末端には20mm以上もある1対の尾鞭がある。脱皮を繰り返して成長し、2〜3センチ位に育つ。寿命は1ヶ月〜1ヶ月半。飼育状況次第で3ヶ月くらい。食性は雑食。生まれた個体は、基本的には全て「雌」で、全員が卵を産む。雄が発生する種類も居るが、この辺の発生は複雑らしい。
日本に住んでいるのは「ヨーロッパカブトエビ」と「アメリカカブトエビ」。
世界には「アジアカブトエビ」「オーストラリアカブトエビ」が居ます。
水田で泥土上をせわしなく歩いたり泳ぎ回ったりする。別名「クサトリムシ」と呼ばれ、体色は暗褐色または暗緑色。これを「オタマジャクシ」と見間違える人も居ます。
田んぼだけではなく、土手や空き地の水溜りなので発生するケースも多い。これはカブトエビの卵が「耐久卵」と言って、乾燥に強く軽い為に、風で飛ばされた場所で、水が溜まるまで孵化するのを何年も待てる生態にある。実際、一度乾燥を経過した卵の方が、孵化がしやすくなるらしい。卵の形であれば、相当の年月を休眠して過ごすタフさが、何億年も種を存続させた秘訣なのだろう。
古生代は石炭紀の地層から、カブトエビの化石が発見されている。他に三畳紀や白亜紀層からも、現代とあまり変わらない姿の化石で発見されている「生きた化石」。古生代に三葉虫の仲間から分科したらしい。
水田で探して、少量の土と一緒に持ち帰るのがベスト。
もう長い間、学研の学習雑誌の付録としてお馴染みで、その位置は揺ぎ無い。だいたい初夏頃、田んぼで発生するのと同じ頃発売する号に付録として付く。玩具店やグッズ店では「トリオップス」と、学名を商品名にした飼育セットが発売している。商品構成は「透明の飼育ケース」「ウッドチップ&卵」「えさ」である。
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