筆者は,社会人になって以来45年もの間,ずっと印刷物に関係してきた。印刷は実にアナログな技術である。インクによる色の再現性は,印刷時の気温や湿度などによってバラつきが生じる。これまでは,本番印刷の前に何十枚も試し印刷をし,インクの量のバランスを職人技で調整して,色再現してきた。これをいかにデジタル化して「勘や経験」に頼らずに,安定化するか,が印刷業界のテーマの1つだった。 「カラーマネジメント」という考え方で,印刷機の特性をあらかじめデータの中に持たせることで,企画者の意図する色を印刷で出せるという考え方が現れ,ICC(International Color Consortium)プロファイル…