「カラ売り屋を扱った作品」の第四弾は、黒木亮『カラ売り屋VS仮想通貨』(角川書店、2021年)。パンゲアによる「カラ売り屋」シリーズ四作目。8月27日に出版されたばかりの最新作です。今回は、仮想通貨交換業者、巨大航空会社、新興電気自動車メーカーをターゲットとした「カラ売り屋」の仕掛けと対象企業の反撃が描かれています。 [おもしろさ] 「濡れ手で粟の錬金術」 「資産の裏付けがないから、これって本当に価値があるのかって疑問が、ずっとついて付いて回る」。「足がつきにくく、ロンダリングもやりやすい」。そして、調べれば調べるほど、つかみどころがない。「投機の対象か、マネーロンダリングの手段か」。「ビット…