公安関係者の付き添いのもと、名刹ガンデン寺を巡礼するカルマパ17世。1994年撮影 “発見”されたチベット転生活仏 『中央公論』1995年2月号 活仏は死ぬと同時に生まれ変わる。つまり輪廻転生するのだが、四宗派に分かれるチベット仏教において、このカルマの思想は根幹をなしている。現在チベットで輪廻転生する代表的な活仏は、100人を優に超すという。そのなかでも霊的、世俗的指導者として、最高権威を継承してきたのが、観世音菩薩の化身ともされるダライ・ラマである。しかしダライ・ラマ14世がインドに亡命して以来、すでに30年の歳月が過ぎ、また中国と協力する道を選んだパンチェン・ラマ10世が亡くなって4年た…