さいきんの訃報で言えば、安野光雅さん、鴨下信一さんに取材でお目にかかっている。どちらも敬愛する人で、うれしかった。鴨下さんは、会うとすぐ「ああ、岡崎さん。ご本読んでますよ」と言ってくれたので驚いた。その後も取材中、何度か「岡崎さんなら(説明しなくても)分るでしょう」と、おっしゃった。「朝日」の訃報ではTBSのドラマの功績しか触れていなかったが、じつは大の読書家(雑本にまで手を伸ばす)で、著作も多い。いま思えば、持参した本にサインをもらえばよかった。安野さんにはもらってある。 木下恵介「カルメン故郷に帰る」(1951年松竹)を観る。ひさしぶり。デジタルリマスター版で、驚くほど色がきれい。長編の商…