20代の頃は、アカデミー賞やカンヌに選ばれる映画に「けっ」と思っていた。あんなものは所詮、権威主義と政治の世界。私は私の感性で私だけの名作と出会うのよ……なんて思っていた。 しかし歳とともに自分も丸くなり数々の作品と触れるなかで、「やっぱ権威のある賞を獲ってる映画、面白れぇわ」と思うようになった。少なくとも安定して観客を楽しませる一定の水準は確実にクリアしているし、好みに合う・合わないはともかく芯の通った力作を観たという実感は得られる。 そんな感覚をガラガラと打ち砕いてくれたのが、2024年カンヌ国際映画祭で監督賞にえらばれたミゲル・ゴメス監督『グランドツアー』である。 予告編 www.you…