第二部 都市建設 第四章 城壁・道路・フォンテ ある十九世紀の歴史家は「イタリア語ほど道という言葉の縮小辞(つまり細道、小路、路地といった類の言葉)をたくさん発明した言語はない。もしいろいろな方言を集めたならば、相当の数にのぼることだろう」と述べている。 この事実は、イタリアにおける都市生活の伝統の長さと中世以来の道の狭さという、二つの事柄を暗示している。 シエナの新ドゥオーモ跡 第五章 大聖堂 新ドゥオーモの建設案 すでにある建物を身廊部を新ドゥオーモの翼廊部として用いる、つまり十字架のタテ軸を新しい十字架のヨコ軸として用いる、大胆極まりないものだった。 しかしこの新ドゥオーモの建設の夢は破…