この春、ポール・ボルカー、アラン・グリーンスパン、ベン・バーナンキという3人のFRB議長経験者の回顧録に続いて、ティモシー・ガイトナーの”ガイトナー回顧録 - 金融危機の真相”(2015年8月、日本経済新聞出版社)を読む機会がありました。 サブプライムローン問題に端を発する世界金融危機(2007年〜2010年)当時、ニューヨーク連邦準備銀行総裁、のちに第75代財務長官として危機対応の最前線で戦ったガイトナーは、ウォール街のモラルハザートを助長したなど、危機が収束したのちに様々な批判を浴びることになりましたが、バーナンキやポールソン(第74代財務長官)などと共に世界恐慌の再来をすんでのところで防…