5 ヴェサリウスの解剖学・ハーヴィの生理学が影響を与え、デカルトの機械論的生命観が確立 ①ガレノス医学の生命原理 ガレノス医学では、生命活動を霊魂精気(脳・神経)・生命精気(心臓・動脈)・自然精気(肝臓・静脈)と、血液運動によって説明しており、それは次のようなものでした。 食物は腸から吸収されて肝臓へ行き、自然精気を含む血液となって静脈を通り全身に浸透します。 肝臓で作られた一部の血液は心臓の右心室に入り、左心室との隔壁にある小さな多数の「孔(あな)」を通って左心室に流れ込み、左心で肺から来る「プネウマを含む吸気」と一緒になり、生命精気を形成します。 そして、心臓の圧力ではなく血液自身の力によ…