ヘルメス、そう、知性を掌る神であるヘルメス。ある時ヘルメスはふと考えた。長さの違う複数の弦を同時に鳴らすと一体どうなるのだろう?思い立ったら吉日とばかりに、彼は親友である亀をばっさりと斬り捨てる。ヘルメスには仲良しの亀がいて、いつも一緒に遊んでいた。いつも亀と一緒に遊ぶなどと書くと、ちょいとおつむの弱い奴かなと思われたりするかもしれないが、もちろんそうではない。なんてったってヘルメスは知性の神なんだ。 それから彼はアポロンの牛を盗み出し、その腹を裂いて腸を取り出し、二本の弦を作ったんだ。その弦を殺した亀から剥ぎ取った甲羅に張り、ほうら、たちまちキタラ(うん、ハープの前身みたいなやつだね)の出来…