J・D・サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』をご紹介します。大人たちの欺瞞に対して鬱屈した想いをぶつける内容が共感を呼び、不朽の青春小説として世界中で読み継がれているのはご存じの通り。野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』以来、40年ぶりに村上春樹によって現代語訳されました。 《あらすじ》 成績不良で退学処分となったホールデンは、寄宿舎を飛び出し夜のニューヨークへ。そこで出会った女の子たちとの交遊や、ナイトクラブでの放蕩にも気持ちは晴れない。挙句の果てに売春を持ち掛けてきたエレベーター係に殴られ身も心もボロボロ。帰り着いた実家で妹のフィービーにいさめられた彼は、イノセントなその心の内を語…