CAPTAIN FUTURE
SF作家エドモンド・ハミルトンが1940年代〜1950年代に発表したスペースオペラ小説のシリーズ名、または同シリーズの主人公、または同作の掲載されていた雑誌タイトル。
スペースオペラ黄金期の名作の一つとして名高く、野田昌宏氏(通称「宇宙軍大元帥」)の手によってシリーズ全作品が翻訳されたという、海外SFの翻訳事情を考えると非常に希有な僥倖もあり、日本でも多くのファンを獲得している作品。
時は未来の太陽系。進歩した宇宙開発技術が実を結び、太陽系全体に地球人が進出している、そんな時代。各惑星には土着の人類(火星人や金星人)が存在しており、地球人は彼等と共存しながら、太陽系政府の中心にあった。
しかし科学が発展し、人々が普通に宇宙を行き交うこの時代にあっても、悪人達が居なくなる事はない。より巧妙に、より大規模に悪事を働く悪漢達。だが、そんな太陽系全土の悪を震え上がらせる一人の男が居た。
その名を、キャプテン・フューチャー。
月のチコ・クレーターに基地を持ち、愛機<コメット号>を駆る、太陽系全ての悪の敵である。
惑星警察機構の手にあまる、謎を秘めた恐ろしい事件が起きる時、太陽系政府主席は北極のマグネシウム灯台に光を灯す。それこそ、キャプテンフューチャーへのコールサイン。
フューチャーと3人の仲間達<フューチャーメン>は、今日も人々の平和な暮らしを守る為、コメット号と共に宇宙へと飛び立つのであった――。
(ハヤカワ文庫SF版は全て、訳:野田昌宏/絵:水野良太郎)
他に、短編「鉄の神経お許しを」「キャプテン・フューチャーの帰還」「太陽の子供たち」「衛星チタンの〈歌い鳥〉」(「衛星タイタンの〈歌い鳥〉」)「忘れじの月」「もう地球人では……」「〈物質生成の場〉の秘密」が存在する。
1980年代以降絶版だったが、1995年にハヤカワ文庫SFより以下の5冊が新装丁で復刊された。
2004年夏からは、出版社を東京創元社に移し、創元SF文庫からシリーズ全作(10巻+短編集1巻)に加え、野田氏が書いたオリジナル小説1巻、で復刊された。
恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)
挑戦! 嵐の海底都市/脅威! 不死密売団 <キャプテン・フューチャー全集2> (創元SF文庫)
太陽系七つの秘宝/謎の宇宙船強奪団 <キャプテン・フューチャー全集3> (創元SF文庫)
透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド <キャプテン・フューチャー全集4> (創元SF文庫)
輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者 <キャプテン・フューチャー全集5> (創元SF文庫)
彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ! <キャプテン・フューチャー全集6> (創元SF文庫)
宇宙囚人船の反乱/異次元侵攻軍迫る!<キャプテン・フューチャー全集7> (創元SF文庫)
人工進化の秘密!/魔法の月の血闘<キャプテン・フューチャー全集8> (創元SF文庫)
フューチャーメン暗殺計画/危機を呼ぶ赤い太陽 <キャプテン・フューチャー全集9>
ラジウム怪盗団現わる!/小惑星要塞を粉砕せよ!<キャプテン・フューチャー全集10> (創元SF文庫)
(訳:野田昌宏/絵:鶴田謙二)
鉄の神経お許しを 他全短編キャプテン・フューチャー全集11 (創元SF文庫)
(訳:野田昌宏他/絵:鶴田謙二)
風前の灯!冥王星ドーム都市―キャプテン・フューチャー全集・別巻 (創元SF文庫)
(作:野田昌宏/絵:鶴田謙二)