第二次世界大戦中にドイツにおいて使用された軍用車。正式には「VW−82(タイプ82)」等。
ヒトラーのナチス政権の公約だった「国民車計画」は、第二次世界大戦の勃発により頓挫。国民に供給されるはずの優れた自動車技術は、そのほとんどが軍用に流用されることになる。そのことは、開発・設計者のフェルデナント・ポルシェ博士が戦後に戦犯として追放される「罪状」となり、「ナチスによって生み出された」事と共にフォルクス・ワーゲンの歴史に影を落とすこととなる。
本機はナチスの依頼を受けたポルシェ博士が既に完成していた「大衆車(KdF)」を元に、主に不整地走行用に活用する事を主眼におかれて設計され、優れた機動性もさることながら、空冷4気筒のシンプルな駆動系によるメンテナンスのし易さ等過酷な戦場において非常に使い勝手が良く重宝され、派生型も合わせ終戦までに50000台もの車両が製造されたと言われる。
現在でもオリジナルの物が存在する他、他の空冷ワーゲンを改造したレプリカもあり、その希少性も相俟って非常にマニアックな人気をもっている。