12.抗うこと/立ちはだかるもの ~最後の涙~ キース・ジャレットとは何者か。我々が目撃する最もクリエイティブなミュージシャンの一人、ソフトな口調で話す男(そもそも人前で話をすれば、のことだが)、高度な理解力に支えられた聴く耳を持つ人、大胆なピアノ奏者、時代の最先端を生きる用心深い人、市民社会に在って世情を把握している人、優れた伴奏をする器楽奏者、脇役に在っても主役に回ってもひときわ輝く演奏家、バッハからジョン・ケージ以降の音楽にまで全て詳しい人、ライナー・マリア・リルケとロバート・ブライをこよなく愛する人、ニューヨーク・タイムズ紙の編集部へ堂々と投稿する人、アメリカの良心を信じる米国民、世界…