仏文50チャレンジ第9回の感想は、第7位の『ボヴァリー夫人』(新潮文庫、生島遼一訳)についてです。 前回『シラノ・ド・ベルジュラック』の感想はこちらから。 guntou.hatenablog.com あらすじ 医学を修めたシャルル・ボヴァリーは、ルーアン近郊で開業医となる。最初の妻が亡くなったのち、患者であった農場主テオドール・ルオーの娘エマと再婚する。 陶酔的に小説を読み、空想のうちに理想を作り上げるエマにとって、凡庸な性質のシャルルとの結婚は、情熱がなく、夢見たものとはまるで違うものであった。 結婚への幻滅から、エマはやがてレオンとロドルフという二人の男性との情事を重ね、次第に破滅へと進ん…