北海道のむかし話/北海道むかし話研究会編/日本標準/1978年 「ギリヤークの民話」よりとあって、北海道ならではのむかし話でしょうか。 世界で4400人(1978年)しかいないと言われるギリヤーク人。黒竜江口や樺太の土着民族だった彼らのうち、北海道に引き揚げてきた方によるギリヤークの昔話の貴重な口述記録のようです。 あるとき、天を覆っていた大きな布がほころび大きな穴があいてしまいました。その穴からは毎日強い風が吹き込んでいました。 ひとりの若者がその風の穴をふさごうとおもいたち家を出ました。何日もかけて、ようやくその穴にたどりつきました。そばには一軒の家があり、とても年とったおばあさんが一人で…