湖東、湖北には山麓に、かつての大規模な寺院跡がたくさんある。本堂へ向かう参道沿いに平坦な土地がいくつも並んでいて、七堂伽藍や僧坊跡など、仏教関係の建造物が建っていたのだろう。以前とりあげた湖東三山も、あれだけ近くにあれほどの規模の寺院が建ち並んでいたのには驚く。中世には天台系山岳寺院と呼ばれるものが数多くあった。 鶏足寺も以前は、己高山(こたかみやま)の山頂近く、あるいは山中の西側にかけてあったが、昭和の初めの火災以来、山麓の別院であったこの地(飯福寺)に降りてきている。行基、泰澄、最澄の名前が出てくるし、そして現在は真言宗寺院というから変遷が激しい。 ここ十年ほどか、秋の紅葉の時期には観光バ…