建屋の東側。塀との間。裏手への通路である。 両脇を拙宅と隣家とに挟まれた谷間のごとき通路が、南北に通る。季節にもよるが、大雑把に申せば正午を挟む一時間だけ陽射しがさんさんとなる通路だ。半日影を大好物とするドクダミ・シダ・ヤブガラシの基本三種が跋扈する。 半日影をより得意とするのはシダで、願わくはもう少し陽射しが欲しいのがドクダミだ。したがって玄関から門扉までの飛石両脇は、ドクダミの独壇場で、塀だの建屋だの、物陰に隠れた地面はシダが優勢だ。ヤブガラシは場所を選ばない。 この地帯には矮性の笹がいく株か勢力を伸ばしている。笹の種類についてはまったく無知だが、葉に覆輪があるところを観ると、クマザサの一…