北見第二中学校1年A組24名の一人一人の物語を描く瑞々しいジュブナイル小説です。 内気な子、口煩い子、お調子者、美少女、嫌われ者、マイペース……あーこういう子いるなあ、自分はどのタイプだったかなあと思いながら読みました。 森絵都さんは、心の機微を描くのが抜群に上手い作家さんです。中学校1年生は、実際にはここまで自分の気持ちを言語化出来る子は少ないと思うのですが、この小説を読むことで、自分のモヤモヤした気持ちの理由がわかって腑に落ちる子もいるのじゃないかと思います。 そして、ここがすごいのですが、ちょっと見には嫌な奴、近くにいたら嫌いになりそうなタイプの子の話も、その子の気持ちや事情を丁寧に描く…