ナショナリズムと言語についての解説書。35年前に読んだときはさっぱりだったが、ナショナリズムと差別のことを勉強するようになると本書はがぜんとして精彩を放つ。40年前(1981年刊)の本だが、今でも新しい。とはいえ、多くは常識になった(ということは俺は本書に影響されていたのだ)。それに、EUができてからヨーロッパの言語政策はかなり変わっているはず。本書にでてくる「方言」、雑種言葉は使用が認めらている。一方、21世紀にはイスラムの人たちが語ることばが新たな軋轢になっているだろう。出版当時はヨーロッパの言語をおもに参照しているが、21世紀には最終章にあるように植民地の言語と国家(自国と宗主国の両方)…