それはまさしく、圧倒的な強さだった。 2008年8月15日、北京五輪の柔道100キロ超級。 準決勝までの4試合を全て一本勝ちした石井慧(国士館大)は、決勝で当たったアブドゥロ・タングリエフ(ウズベキスタン)を指導2つの優勢勝ちで下し、金メダルを獲得。五輪での最重量級最年少王者に輝いたのである。 だが優勝直後のインタビューで、当時の全日本・斉藤仁監督を引き合いに出し、こう言った。 「オリンピックのプレッシャーなんて、斉藤先生のプレッシャーに比べたら、屁の突っ張りにもなりません。自分にとって、五輪は踏み台なんで」 これに柔道関係者からは「教育的指導」が与えられたのだが、 「サービス精神旺盛でビッグ…