この人のヴァイオリンを聴いていると、ブラームスやドヴォルザークが楽譜に固定する前の、中欧の民衆やジプシーの原初的で荒削りな音楽、さらにはヴァイオリンという楽器の発祥地である中東の、楽譜以前の伝承の民族音楽が聴こえてくるような気がする。 今年はじめての音楽会は、セルビア出身のネマニャ・ラドゥロヴィチНемања Радуловић と彼の率いるアンサンブル、ドゥーブル・サンス Double sens のベートーヴェンとバッハだった。兵庫県立芸術文化センターにて。 ベートーヴェンのクロイツェルソナタ(ヴァイオリンと弦楽合奏編曲版) バッハのシャコンヌ(ラドゥロヴィチ独奏) バッハのニ短調ヴァイオリ…