八ケ岳山麓には音楽が溢れている、そう実感する。確かにウィーン・フィルやベルリン・フィルがこの地にやって来ることはないだろうが、小さな音楽会なら森のペンションでも、高原の音楽堂でも、里山のホールでも、プロでもアマチュアでも何処でもいつも聞く事が出来る。そもそも、こうして窓から目の前に大きく眺める好きな甲斐駒ケ岳が時に雲に隠れ霧に包まれ、それらがやがて風に流されその威容が晴天に尖る時、思う。その風も姿そのものも、全く音楽だと。 自宅からニ十分、木造りの音楽ホールに居る。ベーゼンドルファーが黒光りしてホールの中央に置いてあった。昨年と同じだ。スタインウェイではないことが期待感を膨らませてくれる。華麗…