『50の傑作絵画で見る神話の世界』お姉妹篇。 聖書と絵画の組み合わせ企画の類書はかなり多いなかで作品50点での構成というのはすこし少ないかもしれないが、一枚の作品解説にかける分量が多いので、作品ごとに見るべき特徴を幅広く押さえている。「最後の審判」ではなく「ヨハネの黙示録」で終わるというところも珍しい。 『50の傑作絵画で見る神話の世界』にも見られる傾向だが、背景描写や画面周辺の描写が作品に与える影響について繰り返し取り上げていることが多く、ひとつの作品が作り上げている世界の広さと奥行きを感じ取れるように導いてくれている。ひとつの作品をゆっくりと見ることに力を貸してくれる著作となっている。 w…