図形(グラフィック)を扱うためのソフトウェア。
ドロー系ソフトとペイント系ソフトに大別される。
図形を方程式で表せるデータ(ベクターデータ)の集まりとして扱う。すなわち「座標(x1,y1)から座標(x2,y2)までの直線」「中心が座標(x3,y3)で半径がrの円」というデータの集合である。
また、曲線を表すのにはベジェ曲線やスプライン曲線といった関数が用いられる。
早い話が代数幾何学の世界である。
Adobe IllustratorやCorelDRAW、OpenOffice Drawが代表例。
図形を色のついた点(ピクセル)の集まり(ビットマップ)として扱う。すなわち「座標(x4,y4)に青色の点を置く」というデータの集合である。
こちらは図画工作の世界といえよう。
Adobe PhotoshopやCorel Painter、GIMPが代表例。
ベクター方式は直線や矩形はともかく、自由に曲線を描くのに習熟が必要という難点がある。しかし拡大縮小をしても品質が変わらないことやデータ量を少なくすることが可能なためコンピュータにとっては便利な方式である。
一方ビットマップ方式はデータ量が大きくなるが写真などをデジタルデータ化するのには向いている。
グラフィックソフトが出現して以来この二つの方式は対立する概念として捉えられてきた。しかし互いの長所を取り入れるべく改良が加えられたため、*1垣根は低くなってきている。しかし積極的に両者を融合しようとしたのはFlashであるといえる。
*1:現在ではIllustratorでビットマップ方式の図形を扱うこともできるし、Photoshopでベクターデータを扱うこともできるようになっている