イングランド中部で見つかった不可解な身元不明者は、80年を経た今日でも「ベラ」の名で語り継がれている。 木の中の死体 1943年4月18日、ウスターシャー州バーミンガムの郊外にあるハグリーウッドの森で、セイヨウハルニレの木の洞(うろ)の中から白骨化した女性の遺体が発見された。 その日、地元の少年4人(ロバート・ハート、トーマス・ウィレット、ボブ・ファーマー、フレッド・ペイン)は、森でウサギや野鳥、鳥の卵を探していたという。大きな楡の木に遭遇したファーマーは「上に鳥の巣がありそうだ」と目星をつけて上り始めた。その幹の中央は大きな洞(うろ)になっており、中を覗くと何やら動物の骨らしきものを発見し、…