はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と五十一 「ガ ガイライシュ!?」 いつだったか。 急ぎの用事があって、大慌てで玄関を飛び出したその時だ。 ん? なんだ? 足元に、あるイタリアの高級ブランドのような色合いの虫が一匹。 黒いボディに赤い首巻き。美しい。 と、細(ササ)やかなる感動に浸っていたら、後日、その美しい虫がトンでもなく厄介な外来種であったことをニュースで知る。 が、外来種!? 外来種。 よそ者。 侵略者。 圧倒的強者。 ソレらが私が抱いている外来種に対するイメージであるだけに、余計、驚いてしまう。 とくに、ソイツは、というか、ソイツの幼虫は、サクラの、ソメイヨシノの、その木の樹液が…