「ニンニクげんこつラーメン花月」と言うラーメンチェーンを展開している会社。全国に200店舗以上の店舗を展開する(直営店は、うち40店舗ほど)。グロービートジャパンの名前の由来は、グローブ(Globe)×ビート(Beat)×イート(Eat)をかけ合わせた造語「グロービート」に日本(ジャパン)を足して生まれた。店舗は「ニンニクげんこつラーメン花月」「らあめん花月嵐」「ニンニクげんこつらあめん花月寅」「豚そば銀次郎」「とんこつらぁ麺−CHABUTON−」の5種類(「麺屋!ボッケもん」が増えたという情報もある)。
ネット事件
- 同社とカルト宗教団体「日本平和神軍」や学位商法をやっている偽大学「イオンド大学」との結びつきを告発していたWEBサイト管理人が、同社によって名誉毀損で刑事告訴されたが、第1審でサイト管理者は無罪となった(後述)。個人運営のWEBサイトが告訴・起訴された日本初の事件であり、表現の自由の行く末について重要な裁判であり、様々なメディアで取り上げられた。弁護人は、紀藤正樹弁護士、山口貴士弁護士ら。
- googleで、「グロービートジャパン」を検索すると、10件以上のページが「Google 宛に送られた法律に関するリクエストに応じて、削除」されている(いわゆるgoogle八分)。また、同社と業務提携をしているYahoo検索では、検索結果上位のほぼ全てがグロービートジャパン社の宣伝サイトで占められる状況となっている(参考)。1の刑事裁判において、靏見副社長は「営業上の理由から、グーグル八分を申請した」と、グーグル八分について認めた。このことは「雑誌・TV等紹介履歴」にもあるように、多くの媒体で取り上げられ、グーグル八分の代名詞的存在となっている。
- グロービートジャパン社取締役「大橋正純」氏が、「はてなキーワード」や「Wikipedia」の項目を、執拗に同社に有利なように書き換える事件が発生している。取締役が勤務時間中に書き換えを行うなど、同社の組織的な隠蔽工作や宣伝活動だと考えられている。
企業プロフィール
- 会社名
- グロービートジャパン株式会社(英文表記 GLOBEAT JAPAN INC.)
- 設立日
- 1994年6月8日
- 資本金
- 10,000,000円
- 年商
- 4,853百万円(2004年9月期)
5,113百万円(2006年9月期)
5,105百万円(2007年9月期)
- 店舗数
- 210店舗(2004年9月期)
216店舗(2006年9月期)
- 役員構成
- 代表取締役社長 通名:北条晋一(本名:黒須伸一)
代表取締役副社長 通名:鶴見 嘉弘(本名:靏見嘉弘)
取締役 通名:三田直人(本名:黒須直治)、通名:柿本博(本名:黒須博史)、大竹弘、大橋正純、石川英慶
(公式ウェブサイトや過去のフランチャイズデータベースには、通名で表示されているが、登記簿には本名で記載されている)
- 会長職について
- 対外的な交渉(和解交渉や出版社などへのクレームなど)を、「会長」を名乗る黒須英治氏(社長および副社長の父)が行うことがある。グロービート社に会長職は存在しないが、英治氏の行動は黙認されている。なお、英治氏は、右翼系カルト宗教団体「日本平和神軍」の教祖である。また、英治氏は、グロービート社より年間4千万円ほどの給与名目の金銭を得ているが、社長の証言によると「仕事を行ってはいない」。
- 従業員数
- 正社員140名 アルバイト368名(2004年9月)
正社員118名 アルバイト457名(2006年9月)
- 事業内容
- 飲食チェーン経営及びフランチャイズ事業
- 株主構成
- 通名:中杉弘(本名:黒須英治) 51%
通名:北条晋一(本名:黒須伸一) 12%
通名:三田直人(本名:黒須直治) 12%
通名:鶴見嘉弘(本名:靏見嘉弘) 12%
(創業〜2006年2月)
(裁判などで黒須英治氏が教祖を勤めるカルト宗教団体との関係が問われたため、黒須英治氏の所有する株の一部を、2006年2月頃、黒須伸一氏と靏見嘉弘氏が約3億円(一株あたり約300万円)で買取を行い、黒須英治氏の所有する割合は30%に減った)
グロービートジャパン(らあめん花月)・日本平和神軍事件
WEBサイト上で右翼系カルト宗教団体「日本平和神軍」やディプロマミル「イオンド大学」との関係を書かれ、あるサイトの管理人を名誉毀損で刑事告訴したが、ウェブサイト管理人は無罪(検察が控訴)となった(グロービートジャパンとの関係についての簡単な説明)。
尚、民事裁判に於いては名誉毀損が立証されグロービートジャパンが勝訴している。判決の主文と要旨は、 ココで見ることが出来る(グロービートジャパン社のサイトでは公開していない)。判決によると、「被控訴人の代表取締役黒須伸一その他取締役と日本平和神軍を主催する黒須英治とが親子という身分関係にあるだけではなく、被控訴人の方から黒須英治に対して積極的に提携を求めたとまではいえないが、黒須英治は被控訴人のオーナーを自称するなどしており、被控訴人と黒須英治とは一定の関係があると評価することは誤りではない」と認定されたものの、「日本平和神軍との関係が個別の法主体性を否定されるほど一体又は極めて密接なものであるとまでいうことはできない」として、平和神軍観察会の管理人に77万円の賠償を命じる判決が確定している。
刑事裁判においては、起訴状によると、ウェブサイトにあった「貴方が『花月』で食事をすると、飲食代の4〜5%がカルト集団の収入になります」「おいおい、まともな企業のふりしてんじゃねぇよ。この手の就職情報誌には、給料のサバ読みはよくあることですが、ここまで実態とかけ離れているのも珍しい。教祖が宗教法人のブローカーをやっていた右翼系カルト『平和神軍』が母体だと言うことも、FC店を開くときに、自宅を無理矢理担保に入れられるなんてことも、この広告には全く書かれず、『店が持てる、店長になれる』と調子のいいことばかり。」などの記述が問題となり、いずれの記述も「重要な部分について真実ではない」とされた。しかし、東京地裁によるネット名誉毀損の新たな判断基準(マスコミ報道であれば調査不足で有罪のケースであるが、インターネットの性質として「反論可能」であり、被告人は“個人のネット利用者”レベルまでの調査をした上での記述であったため罪には問えない)により被告人は無罪となった。
判決では、同社とカルト宗教団体「日本平和神軍」との一体性について、以下のような事実が裁判所によって認められた。しかし、グロービートジャパンと日本平和神軍は「一定の関係性がある」が、「社員全員が平和神軍の信者というわけでは無い」ことから「人・物・金という判断基準において、実質的な一体性があるとまでは言えない」とされた。
- 社長夫人は、高校生の頃より催眠神秘会(日本平和神軍の関連団体)に入会し、子供(教祖の孫)とともに平和神軍のイベントに参加していた
- 黒須英治氏(教祖)が会長を自称し、積極的に対外的な交渉を行っていたことを同社は組織的に黙認していた
- 教祖が同社株式の51%を所有し、設立時にはそれ以上の資本関係にあった
- 同社の役員は、教祖の息子および娘婿で固められ、監査役は教祖が連れてきた人物である
- 計数億円といった多額の資金が、教祖に支払われている
「反論可能性」については、「平和神軍関係者と思しき人物が、掲示板に書き込んでいた」事実から、「グロービートジャパン社に反論を求めることは、特段不合理ではない」とした。
また、フランチャイズがインチキかどうかについても「当初、1600万円といっていた開業資金が、直前になって200万円増え、別のリース会社から自宅に抵当権を付けられるなど新たな借金を余儀なくされた」ことや、「契約時には、6.1カ月で投資を回収できるとしながらも、1年にわたって売上が低迷し、結局、閉店することになった」ことが事実であることを裁判所は認定したが、「特段言うべきものではない」としてウェブサイトの記述は真実ではないとした。
なお、新聞報道は判決文を元にした物ではないため誤解や誤謬が存在し、それを元に書いたブログにおいても同様の誤解が見られるが、判決は「ウソを書いても個人なら無罪」と言うものでは無いし、様々な事実認定がなされている。
第4回公判の際、被告人(サイト管理人)らを脅迫する内容の「平和神軍(黒須英治)の宣伝ビラ」が法廷前に貼られ、裁判が妨害される事件が起きた。このことは、毎日新聞や週刊現代などで記事になっている。第20回公判では、グロービートジャパンの自称会長にしてイオンド大学創立者の黒須英治氏に対する証人尋問が行われた。第3回公判から第7回公判では北条晋一(本名、黒須伸一)社長が、第11回公判から第13回公判では靏見嘉弘副社長が証人として出廷し、証言を行なった。判決では、証人らの非協力的な態度についても問題としている。
第1審の全ての日程と概要は以下のとおり。
第1回公判: |
起訴事実の読み上げ |
第2回公判: |
証拠調べ。黒須英治氏の説法テープの内容確認 |
第3回公判: |
黒須社長への証人尋問 |
第4回公判: |
黒須社長への証人尋問の予定であったが、ビラ張り事件によって中止 |
第5回公判: |
黒須社長への証人尋問 |
第6回公判: |
黒須社長への証人尋問 |
第7回公判: |
黒須社長への証人尋問 |
第8回公判: |
被告人質問および、黒須英治氏がBUBKAにつけたクレームの録音を再生 |
第9回公判: |
被告人質問 |
第10回公判: |
弁護人による弁護方針の説明 |
第11回公判: |
靏見副社長への証人尋問 |
第12回公判: |
靏見副社長への証人尋問 |
第13回公判: |
靏見副社長への証人尋問 |
第14回公判: |
証拠提出 |
第15回公判: |
高島章弁護士への証人尋問 |
第16回公判: |
弁護人による弁護方針の説明 |
第17回公判: |
更新手続きおよびディプロマミルの証拠資料の提出 |
第18回公判: |
黒須英治氏への証人尋問 |
第19回公判: |
黒須英治氏への証人尋問 |
第20回公判: |
被告人質問 |
第21回公判: |
求刑、最終弁論 |
第22回公判: |
判決公判。被告人は無罪 |
雑誌・TV等紹介履歴
- 2000年4月日経流通新聞「第26回日本の飲食調査」の売上高伸び率ランキングに掲載された。
- 文藝春秋社「TITLE」2000年12月号に、「有名ラーメンチェーンと“カルト右翼”の奇妙な関係(著者:田中康男)」と言う記事が掲載された。
- 「新潮45」(2002年6月号)に、「シリーズ 現代のカルト…第五回 宗教法人売買(著者:藤田庄市)」と言う記事が掲載された。
- 2002年9月MXTV「清水国明の東京リトルガリバー」にて紹介された。
- 日経流通新聞(2004年10月13日発売)にてグロービートジャパンとYahoo!JAPANの共同企画『ラーメン特集2004 オリジナルラーメンを作ろう!』が紹介された。インターネットとリアルな店舗の融合というヤフーでも初の試みは、延べ350,000票を越す得票を集めた。ポータルサイト「Yahoo!」にて一般ユーザーからの投票の結果にて生まれた「焼き味噌サムライラーメン」が、全国の花月店舗にて発売された。(2004年9月17日販売開始)
- 2005年7月1日「日刊ゲンダイ」に花月の新業態『豚そば銀次郎』が行列ラーメンのコーナーで紹介された。+
- 日経流通新聞(2005年8月29日発売)にて花月マスターが紹介された。
- 日本経済新聞(2005年9月7日発売)及び「livedoor’NEWS」(2005年9月7日配信)にて、グロービートジャパンのアメリカ進出が掲載された。
- 日経流通新聞(2005年10月17日発売)に『花月マスター』が掲載された。最終的に8,930名の認定者が誕生し、ブログを使ったビジネスモデルの成功案件として紹介された。
- 週刊東洋経済(2005年10月22日発売)に花月の新業態『豚そば銀次郎』が紹介された。
- 日本経済新聞及び東京新聞(2005年11月16日発売)でYahoo!JAPANの共同企画で生まれた「濃厚豚骨醤油ラーメン真骨頂」の販売が掲載された。(店頭発売2005年12月2日)店舗でのラーメンの販売と並行して、同名称のカップ麺(東洋水産)とスナック菓子(ジャパンフリトレー)も全国にて発売された。(2005年12月12日発売)昨年に引き続く共同企画ではあったがその注目度は高く、昨年を凌ぐ1,380,000票もの投票が集まった。
- BUBKA2006年1月号にて、「有名ラーメン店とあやしい新興宗教団体の関係が裁判で明らかに!」と言う記事が掲載された(2006年1月号目次)。
- 「ガイアの夜明け」2006年1月24日の放映(タイトル「膨張!クチコミ巨大市場〜ネット時代の消費革命〜」)で、ヤフーとの共同企画のことが取り上げられた。
- 朝日新聞(2006年5月1日発売)の「『みる・きく・はなす』はいま」に、「あるチェーン飲食店」と言う形で取り上げられた。
- AERA(2006年5月15日号)の「検索が支配する民主主義」に、Google八分申請したと疑われる「都内に本部があるラーメンチェーン」として取り上げられた。
- 「グーグル八分とは何か(九天社)」に、「第2章 グロービートジャパンに関するグーグル八分」として裁判の概要などが詳細に取り上げられた(目次)。
- 「実話アングラーEX vol.5」に、日本平和神軍との関係が取り沙汰されている会社として取り上げられた。
- 週刊新潮2007年4月26日号に、「サスケに『名誉教授』を打診した米大学の実体は『ラーメンチェーン』」として、取り上げられた。記事には、イオンド大学の学長がラーメン花月のオーナーであることが書かれている。
- SPA!(2007年5月22日号)にグーグル八分の実例として取り上げられた。
- 2008年2月29日〜3月1日、多数の新聞・TVなどがグロービートジャパン・平和神軍事件の判決を報道した。
フランチャイズ事業
グロービートジャパンは、フランチャイズ事業を全国に展開している。フランチャイズとは、コンビニのように「看板」を貸す代わりに加盟金・ロイヤルティーを徴収する事業形態である。フランチャイズ比較ネットによると、グロービートジャパンの場合は「保証金:100万円、加盟金105万円、研修費31.5万円、広告宣伝費52.5万円」となっている。これ以外にも設備資金などがかかる。ロイヤルティーは、「毎月の売上げより飲料代を除く金額に対し5%」である。
所有施設
伊豆にキャンピングペンション「花月荘」を持ち、一泊素泊まり2,800円から誰でも宿泊できる。宿泊管理などは、黒須英治氏(日本平和神軍)が行っており、同社としては一切タッチしていないとのこと。連絡先電話番号も、別の会社(イオンド大学)である。
東京都杉並区高円寺南2-35-15に、花月第一ビルを所有している。花月第一ビルには、イオンド大学も入居している。
その他の参考情報
花月マスター認定制度は、マーケティングプランナーの村山涼一氏(「大前研一のアタッカーズ・ビジネススクール(ABS)」などで講師も勤める)が考案した。
100店舗突破記念として、「空飛ぶニンニクげんこつラーメン」(1500円)という本を発行した。
2005年に、ヤフーとのコラボレーションによる「濃厚豚骨醤油ラーメン真骨頂」を発売した。