引用元:amazon.co.jp 2013年のアメリカ映画 邦題は「Night Moves」 これは主人公たちが手に入れるボートの名前なので、邦題の「 - スリーパーズ」というのは、わざわざ言い換えても尚、意味不明で理解に苦しむ 過激な環境保護論者のジョシュ(ジェシー・アイゼンバーグ)とディーナ(ダコタ・ファニング)は中古のボートを購入して、ハーモン(ピーター・サースガード)に届ける その途中、夜道の脇に倒れている鹿を見て、ジョシュは車を停めて鹿(そのお腹には子供がいた)を道端の低地に転がす 二人がハーモンに届けているボートは、環境を破壊しているダムを爆破するためだった 海軍に居たハーモンは爆…
引用元:thecinema.jp 再びケリー・ライカート監督作品を 妻の出産を間近に控え、大事な時期を過ごしていたマーク(ダニエル・ロンドン) かつては自由な生活を送っていたけれど、今では責任ある仕事をこなし、妻(そして愛犬)との幸せな毎日を送っている そんなある日、昔の友人カート(ウィル・オールダム)が電話してきて、「週末にキャンプに行かないか」と言う カートは(かつてのマークもそうだったように)その日暮らしの気楽な毎日を過ごしていた 妻に一日と少し出掛ける許可を得てから、カートに了解の電話を入れたマーク 目的地までのロング・ドライブの間、立場も環境も変わってしまった自身とカートとの間に距離…
引用元:amazon.co.jp ポール・ダノの出演作品は必ず観ることにしているけれど、監督が「ウェンディ&ルーシー」のケリー・ライカートで、共演が同作品で主演(ウェンディ)を務めているミシェル・ウィリアムズとなると期待値が高まって仕方ない 好みの監督や俳優が増えるとこうした「自分にとってのご馳走」というか「ご褒美」にさえ思える作品も増えてくるのは素直に嬉しい 今回は何と西部開拓時代(1845年)のオレゴン 西を目指す長旅に出ているテスロー夫妻他の三家族 案内役として雇った男・ミークについて歩いてきたものの、2週間の行程を、もう5週間もかけている 水を切らしそうになる度に、自分たちだけでなく、…
firstcow.jp Xで評判を仄聞し観てみた。 森の闇などこっちの視力や画面の調子が気になるほどの真っ暗の見えにくさ。キャンプに行った時の灯りのない道を歩く怖さや、片桐はいりさんがNHKスィッチインタビューで体験されていた闇を歩く感覚*1とはこういうことだなとは思い、そこを表現したいのだなとは思った。ただ見づらいのは少しきつかった。 闇の扱いもそうだけど、西部開拓時代ってほんとはこんな感じだろうなあというリアリティを大事にしている話の進め方。すっかり様式的な形に慣れている身にはとても新鮮。派手な盛り上げなしにドキドキし心を掴まれるドラマを作っているケリー・ライカート監督、やはり皆が褒めるだ…
引用元:amazon.co.jp 2008年のアメリカ映画 先日の「リバー・オブ・グラス」に続いて、ケリー・ライカート監督作品 仕事を辞め、インディアナからひとり(愛犬ルーシーと)で車を走らせ、新生活を送るつもりのアラスカに向かうウェンディ(ミシェル・ウィリアムズ) しかしその途中、オレゴンで車が動かなくなってからいろいろと歯車が狂い始める ルーシーのエサ代を節約しようとスーパーで万引きしたのを店員に見つかり、警察に連れていかれる 50ドル支払って何とか解放されたものの、スーパーに戻ると繋ぎ止めておいたルーシーの姿が無い デビュー作だった「リバー・オブ・グラス」に比べると、味わい深いロードムー…
引用元:note.com 1994年のアメリカ映画 南フロリダに住む30歳の専業主婦のコージー(リブ・ボウマン) 少し変わったこの名前は、ジャズドラムが好きだった父に名付けられた(おそらくコージー・コール) 店でドラムを叩いていた父は、娘が生まれたのを機に定職に就こうと、ドラムをやめて刑事に(!)なる 空想癖のあるコージーは、いつかは人の良い夫婦が目の前に現れて、彼女の子供たちを引き取り、彼女自身は第二の人生を歩み始めることを夢見て、退屈な毎日をやり過ごしていた ある日、酒を飲み過ぎた父は、拳銃をどこかに忘れてしまい、停職処分になる そしてコージーは憂さ晴らしに入った地元のバーで、冴えない風貌…
レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」(2014)です。 過激な環境保護主義者ジョシュ(ジェシー・アイゼンバーグ)とディーナ(ダコタ・ファニング)は、ケイルズビル貯水池ダムを破壊する為彼らはボートを購入、そして爆薬を製造する為元海兵隊ハーモンに協力を求めた。彼は硝酸アンモニウムが230キロ必要だと答えた。ディーナが肥料として硝酸アンモニウムを手に入れた。 準備は終え、三人でケイルズビル貯水池ダムに手製爆弾を取り付け爆破に成功するが、翌日の新聞でダム近くでキャンプをしていた男性が行方不明と知り、ディーナは情緒不安にな…
雨。 またモズ君、ひとり(?)電線に留まっていらあ。 たくさんピチピチ鳴いてるのは何だ? ヒヨドリか? ヒヨドリだな。大挙してやってきて、とりあえずお隣のモチの紅い実を食い尽くそうとしている。お隣のモチとウチの檜の間を往復しまくって、乱暴狼藉だ。 スーパー。霙混じりの強い雨。外気3℃で冷たい雨だ。当然のことながら客は少なかった。 昼食は飽きない半田めん。食後にインスタントコーヒー。 U-NEXT で『ショーイング・アップ』(2023)を観る。監督はケリー・ライカート。制作は A24。107分。 女がイライライライラする話。あとは、現代アートの不毛と自己満足と虚栄を描いているように思えたが、それ…
「もう、飛べたんだ」 原題は「Showing Up」(現れる) 個展を間近に控えた人形陶芸家のフラストレーション 評価の高い作品ですね 登場する彫刻は映画の舞台でもあるポートランド在住のアーティストで ケリー・ライカートが長年フォローしている シンシア・ラハティCynthia Lahti(@cynthialahtiartist)により制作されたもの ヒロインを演じたミシェル・ウィリアムズは 彫刻のトレーニングで創作意欲に目覚め(笑) 撮影が終わるまでに工房内を歩くのが困難になるくらい 多くの作品を作ったそうです ポートランドにあるオレゴン美術工芸大学 (ポートランドは芸術の街として有名なのだそ…
ケリー・ライカートの映画には、他者へのまなざしが丁重に注がれている印象をいつも受ける。現実の日常生活の中で、誰もが意識的にしろ無意識的にしろ様々な他者に視線を注いたり、一瞥したりするように、ライカートの映画の登場人物たちもストーリーに則った流れの中で自然なふるまいのひとつとして他者に視線を向けている。だが、そうした視線にはささやかなディテールでありながらも、ストーリーの流れに収斂することに抗うような、人間としての根源的なエッセンスがひっそりとだが確実に内在し、それに気づいた者だけがその繊細な視線とともに後に続くストーリーをなぞっていける、そのようにライカートから観る者は試されているのかもしれな…
2024年のベネチア映画祭が9月7日に幕を閉じた。かつては話題作の数でカンヌ映画祭の後塵を拝したこともあったベネチアだけれども、近年では米アカデミー賞に向けた前哨戦の皮切りを果たす映画祭として存在感を増している。『ラ・ラ・ランド』(16)、『ジョーカー』(19)、『ノマドランド』(20)といった作品はベネチアでワールドプレミアされ、そのまま翌年春のアカデミー賞まで評価と勢いを継続させた例だ。ベネチアの作品に注目することで、その年の後半の話題作が見つかる構図になっている。 とはいえ、もちろんアカデミー賞を狙う華やかな作品ばかりを集めているわけではなく、個性的な監督による作品の紹介や、新鋭の発掘に…
読んだ 「閑吟集」 小沼丹「埴輪の馬」 「江藤淳 全文芸時評 上巻」 井上隆史「三島由紀夫『豊穣の海』VS野間宏『青年の環』」 「土佐日記」 安部公房「箱男」 佐藤元状・冨塚亮平編著「『ドライブ・マイ・カー』論」 佐々木敦「映画よさようなら」 観た 石井岳龍監督「箱男」 アキ・カウリスマキ監督「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」 ケリー・ライカート監督「リバー・オブ・グラス」 大島渚監督「白昼の通り魔」 周防正行監督「舞妓はレディ」 塚本晋也監督「鉄男」 吉野耕平監督「夜の話」 大林宣彦監督「時をかける少女」 勅使河原宏監督「砂の女」 濱口竜介監督「親密さ」 濱口竜介監督「Wald…
自分がいま空洞になっている気がするから、文章を書いたほうがいいんだろうなと思って、始めてみた。 本当は手元でノートに日記を書くということで良いんだけれど、誰が見ているわけではなくともインターネットに垂れ流すほうが、なんとなくいまは良い気がするから、こういう方法にした。 なんとなく自分の感度が弱っているなというのがここ2ヶ月くらい続いている。 その原因はまったくわからない。 寂しさからくるものなのか、忙しすぎるのか、ストレスがたまっているのか。 でも今日は、ケリーライカートのOLD JOYを観て、そのあと小川洋子の小説を少し読んで、少し心が動いたので良しとする。 あと美味しいお茶をたくさん買って…
監督:インディア・ドナルドソン 出演:リリー・コリアス 先日シアターで流れた本作の予告編で、全然英語が聞き取れなかったので、open caption版の回を選んで見た(The Little Theaterではほぼ大体の上映作品で、週2回ほどopen caption上映がある。『フェラーリ』もこれなしではほぼわからなかったw)予告編では、楽しいハイキングが途中から不穏な空気になっていき、というような感じの紹介になっていて、確かにそうだが、ぶっちゃけ最初から不穏である。 大学入学を控えたサミー(リリー・コリアス)が、離婚した父と、もう一人、ディランという男の子(関係性は明かされない)と、これまた離…
firstcow.jp 早稲田松竹で。ケリー・ライカート監督。2019年。 「鳥には巣、クモには網、人間には友情」と引用されてはいるものの、エモーショナルな友情の物語でもなく、ジム・ジャームッシュ的、コーエン兄弟的なドライなストーリーテリング。寄る辺のない流浪の人生の中にあって成功は掴めなかったけどバディに巡り会うことができたのだなぁという淡い余韻。 今時めずらしいスタンダードサイズ。開拓期オレゴンの社会、生活、自然の描写が最大の魅力では。
ケリー・ライカート監督。19世紀初頭、ビーバーの毛皮を集めるグループの料理人クッキーはロシア人に追われていた中国人を助ける。その後、再会した彼とマーケットで商売を始めることになるが…というあらすじ。友情の話です。静かな「ゴールデン・リバー」というか、暗黒西部ぐりとぐらというか…。 クッキーは優しすぎる気質ゆえに、ルーは人種のせいで、周囲から浮いてしまう、排斥されるのですが、彼等は互いを見つけた。風が揺らす草のような、フレーズを繰り返す音楽と、夢を語るはぐれ者たち。柔らかく物悲しい映画でした。 おちばれ 上に「友情の話です」って書きましたがどうだろう。トビー・ジョーンズがクッキーの予定を聞いた時…
全4項目 ●代表作 ●「aframe.oscars.org」の「'Killers of the Flower Moon' Star Lily Gladstone's Top 5」より7本 ●「Letterboxd」の「Four Indigenous Favorites with Erica Tremblay and Lily Gladstone」より4本 ●「The Criterion Collection」の「Lily Gladstone and Erica Tremblay’s Closet Picks」より9本 「イーグルVSシャーク」より 全4項目 ●代表作 俳優「キラーズ・オブ・ザ・…
録画していた『ファースト・カウ』(2019年/ケリー・ライカート)を観る。舞台は1820年代のオレゴンですが、内容は友情物語。 毛皮猟師の一行とともにオレゴンにやってきた料理人のクッキー(ジョン・マガロ)は、中国人のキング・ルー(オリオン・リー)と知りあい、意気投合。そんな折り、裕福な仲買商(トビー・ジョーンズ)がこの地に初めて1頭の乳牛を運んできます。クッキーとルーは夜中に仲買商の牧草地に忍び込んで乳しぼり。盗んだミルクを隠し味にした甘い菓子を作って売り出すと、バカ売れ。バケツ1杯を2杯にしたことから、牛の乳の出が悪くなったことを訝しんだ仲買商は…… 犬を連れて散歩していた女性が二つの白骨を…
一軒のアパートのみを舞台に、あとは画面に出てこない済州島が気になる。ハングル一文字のタイトルが出て、文字の構造自体が映画そのものを現しているかもと錯覚する。 画面外についての映画という話も聞くが、『小説家の映画』同様、画面内にギリギリ全てを入れているんじゃないか。画面内と画面外のどちらに重きを置くかと拮抗し合う力関係の高まりが、引きこもりとも世の縮図とも言えるアパート内で突然に起きているような。ズームの見当たらない画面も、空間の息苦しさ、逃げ場としてのベランダ、人物同士の距離を意識させる(ただ会話の内容も何回か脳裏を余計な仕事のことなどよぎったせいで追い切れていない)。ついでに、いかにもZOO…
登場人物が爆弾を作る映画ばかり見ている。 www.youtube.com www.youtube.com 『実録・連合赤軍』しかり、テロリストたちを扱った映画は製作者のロマンチシズムも混ざりこむのか、どこか青春群像劇じみた風合いを帯びる。郊外の空き家を占拠して爆弾づくりに勤しみ、朝はみんなでコーヒーを飲む。恋も友情もそこに育まれる。さながらキャンプのようだ。『君の名は。』や『天気の子』だって似たようなものかもしれない。 真っ赤なドラム缶でできた爆弾を昼日中から山頂に設置したり石油パイプにぶら下げたりして、計画された爆破時間まで丸見えの状態でしばらく放置しておくというのは、アメリカの荒野の広さを…
監督:ケリー・ライカート ながら見してたせいか話があまり入ってこなかった。中国人と出会う前までは面白く観れたのだが、いっしょに行動し出してからあまり話についていけなくなった。画面も暗く集中して観ないとダメなやつだ。あれ?リリー・グラッドストーン出てた?。。。
飯島将史監督『プロミスト・ランド』を見る。序盤は何故そのタイミングでカットして黒画面を挟むのか、編集の意図が掴めず、歯切れの悪い印象を受ける(役者も小林薫、三浦誠己、渋川清彦と見た人ばかり出てきて、あまりキャスティングに面白みは感じない)。ただ寛一郎と杉田雷麟が熊狩りへ山に入るあたりから、黒画面の狙いも漠然とわかった気になる(パンフにゴダールの名を出して聞いていたが、むしろ『セリーヌとジュリー〜』のほうがよぎる)。熊が人を襲う話ではないから、両者が山へ入るのに『ジョーズ』(もしくは『グリズリー』?)の必然性はない。本当のところ緊急性もない。やや杉田を巻き込む寛一郎に嫌悪感も抱かせる。それでも何…