大学生の頃、憧れの女性が居た。少しだけアンニュイな空気、そんな女性だった。キャンパスですれ違うと軽いめまいを覚えた。胸が高まるが口下手な自分は話しかけるのに勇気を必要とした。幸いに友人を介していつか仲良しグループが出来た。その中心に彼女は居た。その中で彼女自身は気負いなくいつも透明だった。 彼女は雑貨が好きだった。学校帰りに一緒に渋谷を歩くとパルコやハンズ、LOFTや無印良品の店に入っては雑貨を見るのだった。正直自分には興味が無かった。雑貨より彼女の近くにいるとドキドキする。その気持ちに惹かれていた。 雑貨にもいろいろあった。いずれもセンスの良さが問われるだろう。透明なガラス細工、いや、木の香…